春風にたくして…6

これはておの勝手な萌えと妄想が元になったBL小説です。BLがなにか分からない方、嫌いな方は読まないほうがいいかと思います。甘々な話なので、かなりヌルイ、ノロケ的な内容となっております。では、興味のある方はどうぞごゆっくり、コメントなど残してくれたらめちゃ喜びます。

えへへ、明日飛び立ちますが、支度もせずにアップしてるておです。
つか、ぶっちゃけじいちゃんとこにいくわけなんですけど、
日本はかなり久しぶりなんでちとドキドキしてます。
あ、普段は海外暮らしなもんで、はい。
写真などアップできればなぁ、なんて…って、どうでもいいですよね
(OwO)/~



Ⅸ:

浅見くんとのデート以来、数日間彼からの連絡が途絶えている。

コンビニでもシフトが全く重ならず、まるで浅見くんに出会ったことさえもが夢だったのではないかと錯覚してしまう。そんな時は携帯を取り出し、「浅見くん」と登録されている彼の名前を確かめてしまう。

そうだ、夢なんかじゃないんだ。
でも、夢なら夢で、もっと続いて欲しい。

メルアドを交換したんだし、浅見くんにメールでも送ろうとも思ったが、結局しないでいる。だって、用もないのにメールするほどの仲でもないように思えたし、まだある程度距離を置いたほうが自然だ。

だって、僕たちは一度だけ一緒に食事に行っただけで、もしかしたらこんなに喜んでいる自分は大きな勘違いをしているだけなのかもしれない。

って、ちょっと待てよ。浅見くんも喜んでたじゃないか。来週末も、またどっか行こうって誘ってくれたし。

でも、やっぱり、彼が誘ったのは僕であって僕でない誰かにちがいなくて――

「――さんっ!黄生さん!」

「えっ?!あ、っ、はいっ!o_0!!」

「もう、さっきから呼んでるのに、全然聞こえてないんだからぁ…」

不機嫌そうに声をかけてきたのは、最近雇われた山川さんだった。ギャルなのにヤンキーが少し入って
て、他の女の子達には少し距離を置かれている様子。

でも、口がちょっとばかり悪くても根はいい人なのだと思った。なんだかんだ言っても絶対に遅刻はしないし、影で根も葉もない噂を立てる他の女の子たちよりはよっぽど信頼できた。

「ごめん山川さん、なんて…?」

「あぁ、私これから休憩取るんで、黄生さん表に出てくれる?コモさん一人じゃあ頼りないしさ」

「うん、分かった、すぐ行くよ」

『しまったしまった、思いにふけっていて周りを完全にシャットアウトしてしまっていた。でも、まぁ、それだけじゃないか…』

右側から声がしてるとはうっすら感じてたんだけど、やっぱり片耳が聞こえないとなにかと不便だ。

僕は高校を卒業する直前に右耳の聴力を失った。

生活に困るわけではなかったが、一応障害者手帳なんかも持ってたりする。失くしてすぐの頃はかなり大変だった。十七年もそこにあったモノが消えてしまった。それは僕に考えられないほどの喪失感を感じさせた。消えてしまった想いは音もなく沈んでいくけど、消えてしまった感覚はその存在を主張してくる。

なくすことで、身体は常に思い出させる――あの時の出来事を、あのヒトの針のような言葉を。

僕があの時なくしたのは、右耳の聴力だけじゃないと思う。
でも、傷つく事がないのなら、無くしてしまえばいいと思う。

全部、イヤなものなんて、全部消えてしまえばいい…



シフトが終わり、ロッカーからカバンを取り出していると、携帯がブクブクと音を立てた――メールの着信音だ。
携帯を開くと、それは浅見くんからのメールだった。

『こんちは~オレです^ロ^
こないだはすげー楽しかったです
今週末のことなんですけど…
動物園なんてどうですか?
まだシフト中だろうと思って、メールにしました
終わったら電話ください
待ってます(^^)/』

「待ってます」か。その言葉だけで、嬉しくなりそうだった。
僕は浅見くんの番号をかけ、呼び出しを聞きながら今更ドキドキしていた。

「もしもし、黄生さん?」

いざ彼の声を聞くと、僕は急に緊張してしまい、舌ったらずになってしまった。

「は、はい、ゴメン、ね、急に電話、し、て」

喋りながら自分の言葉のバカさをヒシヒシと感じていた。電話をしてくれと言っていたのは浅見くんなんだから、謝る必要なんてないのに――でも、とっさに他の言葉が浮かばなかった。

「い、いえ、あの、メール読んでくれました?」

いつも通りの浅見くんの声を聞いて、僕は少し落ち着きを取り戻した。

「うん、読んだよ、動物園だよね」

「はい…あの、やっぱり動物園なんて子供っぽくてイヤですか?その、オレ、デートの経験とかそんななくって…」

「うっそだぁ~浅見くん絶対モテたでしょう」

「ホントにそんなことないっすよ!っていうか、自分から誘ったのなんて…黄生さんが、初めてだし…」

最後の言葉は消え入ってしまうくらい小さな声だった。彼も、勇気を振り絞って誘ってくれたのだろうか。

「…黄生さん…?」

「あ、ご、ごめん…なんか、すごく嬉しいこと言ってくれるなぁ…なんて…」

「……」

「……」

何を言ってるんだろう、僕は。赤面した姿を見られているような羞恥心から抜け出したくて、すぐに話題を戻した、

「そういえば、なんで動物園なの?」

「――あぁ、それは…前、一緒のシフトだった時に黄生さん、レッサーパンダが大好きだって言ってたから…」

「あ、覚えててくれたんだぁ~」

「だから、もし黄生さんさえよければ…」

「うんうん!行きたいよ!今週末だよね、空けてあるから大丈夫だよ」

「本当ですか?!嬉しいっス!」

「おおげさだよw」

「へへッ、でも、土曜日以来会ってないっスから…」

だから、早く会いたいです。そんな台詞を思い浮かべてしまう自分は、きっとうぬぼれている。

「じゃあ、また土曜日なんてどうですか?朝の十一時ごろ、駅前で」

「うん、いいよ、楽しみにしてるよ」

「オレもです。じゃあ、都合が悪くなったりしたら、連絡してください」

「わかった、それじゃ、また」

「はいっ、今度こそは黄生さんより早くに着きます」

「ははっ、がんばってね」

「はいっ!じゃあ、また」

「またぁ~」

電話をしまっても尚、耳に浅見くんの声が残っていた。
高いとも低いともつかない彼の声。男らしくも、しなやかな口調。

僕に優しく語り掛けてくれる、浅見秋吾の声。

僕は、いけないことをしているのではないだろうか。

僕は黄生コウ。僕は男。声が高くて、顔が女に見えたって結局は男のカラダ。

浅見くんが本当の僕を知ったら、僕をニセモノと呼んで、軽蔑するかもしれない。いや、むしろ軽蔑しない方が不自然だ。

別に女になりたいわけじゃない。女に成りすまそうとしているつもりもなければ、性同一性障害者でもない。

正直、自分でも自分の事がよく分からない。

女になりたいと考えたことはあった。子供の頃から僕は女らしかったし、男の子とは根本的に違うと、幼いながら感じていた。でも、それはただ漠然とした物で、結局自分は女の子とも根本的に違っていた。

僕は、どの部類にも、当てはまらなかった。

自分が男のカラダであることに違和感も抵抗もない。高校生の頃は体毛がイヤでイヤで仕方がなかったが、今では大して気にならない。そもそも、そんな悩み、思春期なら誰でも通り過ぎる心情だ。

だから、僕はトランスセクシュアルではない。

僕は男性とは違う。
僕は女性とは違う。
じゃあ、僕っていったいなんなの?

自分で自分の事が分からない僕は、大人として欠落している。
人間として、欠落している。

こんな僕が、真実を知らない浅見くんと恋仲になるなんて、あっていいことなはずがない。

きっと、その真実は彼を深く傷つける。僕なんかよりも、ずっと深く。自分が好意を持っていた相手が思っていた人物でなかったら、誰だって傷つく。だって、それは裏切りなのだから。

でも、浅見くんは僕にとっても特別な存在になりつつある。今の平和をぶち壊すなんて、恐ろしくて僕には出来ない。きっとこれは僕のわがままなんだ。でも、それでも、壊したくない。

人はいつだって人を求め続ける。押さえ込もうとすればするほど、気持ちは膨大になり、止められなくなる。その先に何があろうとも、そのまま進んでゆく。

きっと、言える時がくる。

だから、その時まで僕は真実にヴェールをかけておく。

逃げているだけなのは分かっている。でも、たった一人の言葉や思い出で、こんなにも救われることを彼は教えてくれたから……

つづく…



最後のほう、かなりグダグダでつまらなかったかもですが、
自分としてはここだけは絶対に譲れませんでした。
黄生さん、自分にとってはとても大切なキャラですから。

あ、それとなんで動物園かというと(いや、自分でも動物園はないだろう、と思いつつ)
「げん○けん」の笹原とあの腐女子の二人のデートがあまりにもかわいくてですね~
分かるひとは分かるはずだ!

では~
せいぜい検疫で引っかからないように、体調を整えて旅立ちたいと思います~

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 0

この記事へのコメント

この記事へのトラックバック